宇治平等院の藤棚
宇治市ようこ先生のピアノ教室です。
5月も半ばに入り、GWの気分もすっかり抜け、新しい生活にも慣れてきた頃ですね。
この時期、再び体験レッスンお申込みが増えます。
昔は習いごとを始めるなら、6歳の6月6日が良いとされていました。今はあまり聞かなくなりましたよね。実は私も、ピアノを習い始めたのは6歳の6月でした。初めて先生のお宅に伺った日のことを鮮明に覚えています。そして、レッスンの日になると雨が多かった・・・先生のお宅の玄関までの石畳が濡れて、子供心に風情を味わっていた気がします。
今の子供たちは自分の意志というよりも、親御さんの意志で習わされる、という傾向があり、3~4歳で入会を希望される方も少なくありません。音楽教育の場合、確かに早期教育のメリットは大きいものの、習う本人にしてみたら、「気が付いたら習わされていた」ということになるんですよね。そのことが後で反抗という形にならなければ良いのですが・・・難しさも秘めています。
6歳の6月・・・そう、小学校に入学して新しい環境に慣れてくる頃。始めるタイミングとしては確かに良いですね。
さて、レッスンが始まると「教本」や「併用曲集」、さらに「テクニック」「指作り」と、様々な要素の練習に入ります。時折ご父兄の方から、「そんなに何冊もやるんですかー?」と驚きの声があがるので、今日はこの練習の要素についてお話します。
教本
まず「教本」は、ピアノを弾くための「楽譜」「音符」「指使い」その他「決まり事」や「楽語」などを、基礎から系統立てて学ぶためのものです。ですから必ず最初から、飛ばさずに、すべて学習します。教本は年齢に合ったものを選んでいます。
併用曲集
これは教本の進度に応じて「曲」らしいものを弾くのが目的です。達成感や楽しさを味わえると良いですね。生徒さんの状態をみて、少し難しい曲を単発で弾いてもらうこともありますし、復習として進度よりも易しいものを弾いてもらうこともあります。私は長年ピアノ教師をしていて、この併用曲の選び方が指導者の腕の見せ所ではないか、と感じます。
テクニック
テクニックとは「技巧」のこと。ピアノは指で鍵盤を弾くだけで、誰でも簡単に音は出ます。しかし、ただ弾けば良いというものではなく、音楽として美しく演奏するためには、様々な「弾き方」があるんです。幼少時から少しずつ綺麗に弾くための技巧を学びます。初歩では「バーナムピアノテクニック」、少し進んだ生徒さんにはチェルニーの練習曲など。その他多数。
指作り
「ハノン」は指作りの教本で最もポピュラーなものです。これはピアノを弾くための「道具」である「しなやかで強い手指」を育てるためのものです。5本の指をくまなくトレーニングし将来的には、あらゆる難しさに対応できる指の能力を開発するためのものです。主に「5本指の練習」「スケール(音階)練習」「アルペジョ(分散和音)練習」があり、オクターブ連打などの高度なものもあります。
さて、これらの練習・・・いったいどれくらいやればピアノを本格的に弾きこなせるようになるでしょうか?これは個人差があり、ハッキリ言うことができません。プロのピアニスト(世界的ピアノコンクールに入賞するレベル)になるためには17歳頃までにあらゆる難曲を弾きこなせるテクニックが身についていないと無理だと言われています。頭も指も身体能力も柔軟なうちに、すべてを身につけることが要求されます。
しかし、趣味で楽しむためにそこまで到達しなくても大丈夫です。おおよそのめやすですが、チェルニー40番がきちんと弾きこなせて、バッハの平均律も数曲こなせていたなら、クラシックの名曲から、かなりのレパートリーを持つことができます。
いずれにしても、小学校高学年から中学の間にどれだけハードルをクリアできるか、、にかかっていると言えるでしょう。
「練習は量ではなく質だ!」と多くの指導者が語っていますが、個人差はあるものの「量」も絶対必要です。これは初歩の段階から言えることです。
たくさんの曲を弾くことで、楽譜を読むのことが早くなり、練習がスムーズに進むようになります。一方で何曲かは120%の完成度を目指して、自分のものになるまで弾き込むとよいですね。人前で弾く機会を多く持つことも大切です。
ピアノをある程度弾きこなせるようになるためには「覚悟」が要ります!でも好きであるなら必ずや壁を越えることが出来るはずです。そのためにも習い始める時の「本人の意志」は重要ですし、早期に始めた場合でも、ピアノが好きになるように指導することや、ご家庭の環境も大切になります。
そして「継続は力なり!」
習い始めた時のエネルギーを持続させ、なんとか止めずに続けていただきたいと思います。
音楽は一生の宝物なのですから!!
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