きれいな音でひきましょう♪ ピアノレッスンは 想像力・創造力、そして、やり抜く力を育てます♪

盂蘭盆に

結婚を機に京都に移り住んで25年が過ぎた。当初は関東と関西の言葉や文化の違いに戸惑うことも多かったが、なんとなく、なんとなくだが徐々にあまり気にならなくなった。

こちらの生活にも、いつの間にか慣れた。

 

私の生まれ育った東京・芝は江戸時代、徳川家の菩提寺であった増上寺の門前町として発展した。三田は武家文化、芝は町人文化が花開いたのだ。関東大震災や戦火にも見舞われた。明治生まれの祖母はその当時の事を時折言葉少なく語っていた。今になって、もっとちゃんと聞いておけばよかった、と思う。昭和50年代くらいまでは、年中行事の伝統やしきたりを重んじ、町内会や地元の神社などが中心になって、その心を守ってきた。しかし徐々に人口は減少。我が生家も次第にビルの谷間になっていった。そして昭和60年代のバブル崩壊と共に、町も文化も再編されていった。

 

東京の盂蘭盆(うらぼん)(俗にいうお盆)は7月だ。お盆の入りの日(13日)にはお迎え火、そして、16日には送り火を自宅の門先でおこなう。「おがら」を焚くのである。なすやキュウリで作られた牛・馬を用意する。それに乗って、先祖の精霊があの世とこの世を行き来する。巨大都市、東京のビルの谷間に、今でもその儀式を伝える庶民の生活は残っているだろうか。

 

今日は、京都五山送り火の日。毎年この日が来ると、子供の頃の思い出がふと蘇る。今はもう父母も他界し、東京に私の帰る場所はなくなってしまったけれど、お盆が来ると父母の遺影をテーブルに置いて花を手向け、好きだったお菓子など供えたりして、静かに手を合わせる。

心はあの日に帰っていく。

そして今、ここで生かされていることに感謝する。

 

今日の京都は午後から雨。五山の送り火が消えてしまわないことを祈る。

 

 

         夏も終わりかな?花壇の桔梗たち 

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