きれいな音でひきましょう♪  ピアノレッスンは 想像力・創造力、そして、やり抜く力を育てます♪

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初めて耳にした音楽が、心の奥深くまで響く時がある。「もう一度聴きたい」と、思いが募る。

 

先日、東京の表参道ステップで弾いた曲、吉松隆さんの4つの小さな夢の歌より「5月の夢の歌」。この曲はまさに、そういう曲だった。

作曲家と聴き手、または演奏者が本当に通じ合い共感するということは、そうそうあることではない。

 

私などのように幼い頃からクラシック音楽を学び、親しんできた者でも、ベートーベンやシューベルトショパンやリストといった大作曲家の音楽を聴いたり、演奏する時、もちろん素晴らしい芸術作品として感銘を受けはするものの、どこか本当の意味で理解し難い、作曲家と自分との間に一枚壁を感じてしまう。

理解しようとしても、また、分かったつもりでも、それは心が通うものではない気がする。日本人のもっている感性や感覚とは、少し違う気がする。

 

欧米の文化が入ってきて久しいが、日本には四季があり、「わび」「さび」という精神性を伴う美学や原始宗教(自然万物にたいする感謝や信仰心)・儒教が心の奥深くに根付いている。戦後、私たちの文化や感覚は表面的にはアメリカナイズされてしまったように思えるけれど、日本人の「血」というものは、そう簡単には変わらない。

心の奥深くにあるものが、日本人作曲家の作品を聴いた時に揺り起こされることがある。

 

「5月の夢の歌」は、ちょうど父の3回忌を終えた直後に聴いた。何故か涙があふれた。色々なことが落ち着かずにいたこの時期、この曲を聴いて張りつめていたものから解放されたような気がした。人生の一頁を共にしてくれた曲となった。

 

吉松氏は、この曲を桜の風景(東京・千鳥ヶ淵の)の映像と共に自身のブログの「音楽館」で紹介している。独自の音使いにより、浮遊感や透明感を描き出す彼の作曲技法は、日本の民族音階である五音音階(ペンタトニック)と相まって、心に沁み込むような音楽を創りだしている。

http://homepage3.nifty.com/t-yoshimatsu/

 

今回、約1年ぶりにふるさと東京に行った。東京は「ふるさと」と呼ぶにはあまりにも姿を変えてしまったように思えるが、東京タワーのふもとの芝公園の桜は、あの日と同じように美しい花を咲かせていた。

桜の時期に里帰りしたのは実に26年ぶり。表参道ステップでは、懐かしい桜の記憶と共に、心をこめてピアノを弾くことができた。

 

京都に戻ったら、花壇の植物たちが菜種梅雨の恵みを受けて、生き生きと成長していた。そして、ポストには高校時代の恩師からの手紙が・・・。3月いっぱいで定年退職されたという・・・時は流れたのだ。

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花壇の手入れをしながら、次は何を弾こうかしら?と考えている。大曲にチャレンジしたい気持も無くはないが、ひっそりと心に優しい小品をレパートリーにしていくのも悪くはないな、と思う。

何か新しいこともやってみたい。

いずれにしてもこれからは無理をしないで、ピアノを楽しみたいと思っている。

弾くことができる環境に、身を置くことができることに感謝しながら。