今日は、ピティナピアノセミナー「世界三大ピアノの響きを探る~世界の名器スタインウェイ・ベヒシュタイン・ベーゼンドルファーを使って~」を聴講しました。
講師:飯野明日香 先生
場所:旭堂楽器店内 サンホール(京都市)http://www.asahi-do.net/sun_hall.html
主催:ピティナ 御所南ステーション http://branch.piano.or.jp/gosho-minami/
昨年と同テーマの講座の第2弾。今回は飯野明日香先生(洗足学園音楽大学講師)によるレクチャーでした。
まず、現代のピアノのルーツ、「フォルテピアノ」(古典派時代)からの流れ・系譜について、大変興味深いお話を伺いました。
ピアノという楽器は演奏家・作曲家・製作者が共に進化させていったもの。西暦1700年頃、現代のピアノの原型ともいうべき楽器がイタリアのチェンバロ製作者、クリストフォリ(1655~1731)によって発明されました。当時の最先端のテクノロジーを結集させて作りあげたものだったということ、そこから各国の技術者が改良に改良を重ねて、現代のピアノに発展したことが良く分かりました。
そして、個性の違う三社のピアノを弾き比べて頂き、その音色がお国柄、時代の風潮、作曲者、演奏家の個性などとリンクする面白さを感じました。
日本では、音楽ホールに設置されている外国製ピアノのほとんどが、「スタインウェイ」であると言っても過言ではありません。確かに現代の音楽や風潮には、あの煌びやかな「良く鳴る」音色は合致していると思います。しかし、弾き手の個性や曲の違いによってピアノの選択肢がもっと広がれば、それぞれのジャンルでの演奏会はさらに面白くなるのではないでしょうか?非常に贅沢な話ではありますが。
ピアニストであり作曲家の加古隆氏は、ベーゼンドルファーの音色を好むそうです。内なる心の表現、静寂の中から生まれるような音楽のイメージとピアノの音色がマッチするのでは?という先生のお話にも納得させられました。
最後になりましたが、飯野先生が今回の講座のために、周到に準備・研究されたことに敬意を表します。そして、それぞれのピアノの音色を楽しむように、見事に弾きこなしておられました。 ドビュッシー好きの私には、ベヒシュタインの音色はたまらなく魅力的でした!
ピアノを弾く者として、指導者として、もっとピアノのことを良く知らなければ、と思います。この講座をきっかけに、ピアノにまつわるいろいろな事を、さらに知りたくなりました。