7月は母が他界した月ということもあり、命日前後には母のことを思い出したり、夢に見たりすることがあります。
前回「なぜ生きる?」という記事を投稿しましたが、母の命日にふと思い出したことがありました。
遠く離れて暮らす母に、時折様子伺いに電話で「お母さん、元気?」と尋ねると、決まって母はこう答えました。「ああ、相変わらず息だけはしてるよ~」そう言って二人、電話口で大笑いしたものでした。
母は、昭和一桁生まれ。子供の頃戦争も経験しましたが、戦後はいわゆるアンビシャス・ガール。古き良き東京で最先端のデキル女性として人生を謳歌していた人。百合の花のような凛とした人でした。
しかし、歳をとると毎日美味しくご飯を食べて、好きなことをして、何事もなく、無事に過ごせることが、一番の幸せなのだと語っていた母。
そして晩年は電話で声を聞くことも出来なくなり、重い難病で全身の痛みと闘いながら、「早く死にたい」とまでもらしていました。
母が息を引き取った時のあの安らかな顔は、本当に忘れられない。すべての苦しみから解放された、という顔でした。
「息だけはしているよ~」そのことがどれだけの幸いだったか、今になってしみじみと考えさせられます。
「なぜ生きる?」その答えは、おそらく一生かかっても見つからないでしょう。いいえ、この答えを探すために人間は生かされているのだと思います。
「今、ここ」を精一杯生きる。それこそが大事。過去を振り返って悔やんでも、未来を案じても無駄なこと。
喜びと悲しみはいつも隣あわせ・・・元気が出せない時は、流れに任せて生きましょう。
そして、日々感謝の心を忘れずにいたいと思います。