きれいな音でひきましょう♪ ピアノレッスンは 想像力・創造力、そして、やり抜く力を育てます♪

世良臣絵さんのこと

先日の演奏会の会場であった「世良美術館」は、画家、世良臣絵さん(1911~2009)の個人美術館。

半月ほど前に、会場の下見を兼ねて訪問したのですが、ちょうど「水辺の風景」と題した特別展が開催されていて、夏の終わりにふさわしい、素敵な絵の数々を拝見させて頂きました。

柔らかなタッチの花の絵や、やさしい思い出を彷彿させる風景画。とても豊かな気持ちになり、こんな素敵なところで演奏ができると思うと、本番が楽しみでなりませんでした。

この日も、家に帰ってからピアノを弾いたのですが、なんだかいつもと違う音がしたように感じました。その後も会場の雰囲気を思いながらイメージトレーニングが出来ました。

 

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ここでの演奏会に参加することを決めるまで、この美術館の存在も、画家、世良臣絵さんのことも知らなかった私。

最初に世良さんが東京の港区麻布生まれだったことを知ったときは、驚きと共に何か因縁のようなものを感じて一人感慨にふけってしまいました。(私と同郷なんです)

世良臣絵さんは、明治44年生まれ。この時代に3歳からピアノを習い、語学も堪能、私立の女学校を卒業されているという、絵に描いたような「お嬢様」。

結婚を機に移り住んだ神戸で、小磯良平画伯と知り合い、本格的に画業を開始したといいます。もちろんピアノ教師としても活動されていたとのこと。

世良さんのお父様は「女も一人でも生きていけるように、手に職をつけなさい。」という教育方針だったとか。そのあたりが単なる「お嬢様」ではないところなんですよね。

この美術館は、世良さんが80歳の時に夢を叶えて開館されたそうです。

2009年に他界されていますが、ご自身の絵はこれから先も鑑賞する人たちの心の中で生き続けるでしょうし、サロンを解放すことで、新しい芸術・文化の交流、発信の場として役割を担っていくことでしょう。

 

人生って短いようで、けっこう長いんだな~、と思います。何歳になっても夢を実現する力はあるんですね。

女性として、敬愛すべき方がまた一人増えました。

 

ここでピアノを弾いた時のことは、9月20日のブログにも書きましたが、私にとっては、人生の忘れえぬ一頁となりました。

 

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