「どうしてピアノを弾くのですか?」
と聞かれたら、
「目の前にピアノがあるからです。」
とシンプルに答えたくなるほど、今年の私はピアノが「弾きたく」なっていました。
勉強のためとか、指導に役立つからとか、そんな窮屈な理由ではなく、純粋に「弾きたい」という気持ちです。子供の頃の、あの無邪気な心で。
今日は神戸東地区ピティナピアノ・ステップ(公開演奏会)に参加してきました。
久しぶりの参加です。
この数年間、自分の奏法を1から見直してきました。今日は「進化」した?奏法で、再出発を果たしました!
生徒さんが上手になっていくのも嬉しいけれど、自分にもまだまだ「伸びしろ」がある、と分かってから、ピアノを弾くことが今まで以上に楽しくなりました。
今日は小品2曲の発表でしたが、シベリウスの「樅の木」は私にとってとても大切な曲。この曲を今日、再出発の曲に選んで、本当に良かったと思っています。
☟普段は写真撮影禁止ですが・・・今日は特別に可!
☟世良美術館外観
シベリウスは北欧、フィンランドの作曲家。「花の組曲」や「樹の組曲」など、自然を題材にした小品が沢山あります。どこか日本人の感性に通じるところがあり、共感出来ます。
「樅の木」は「樹の組曲」の一つです。フィンランドは夏が短く、人々は長く厳しい冬を乗り越えなければなりません。そんな中、樅の木は常緑樹ということで、生命の源とされているそうです。ここから命が生まれ、また還っていく・・・アニミズムにも通じる考え方ですね。
私がこの曲と出会ったのは高校2年生の時。ピアニスト舘野泉氏のリサイタルで、アンコール曲として弾かれました。その時、冒頭のアルペジョが始まったとたん、身体が『ぞわっ!』としたのです。風に吹かれるような感覚でした。
以前ブログにも書いたように、この頃一時ピアノレッスンを休止していた私。しかし、この曲を聴いて、眠っていた「弾きたい気持ち」が揺り起こされたのでした。
音楽には、その時々の人生の思い出がたくさん詰まっています。
「樅の木」は私の原点でもあるのです。この曲を弾くと初心に帰ることが出来ます。
今日の会場は、神戸市御影にある世良美術館。素敵な絵画に囲まれて柔らかな空気感の中で演奏することが出来、緊張はしたものの、とても嬉しかったです。
出演者は幼児から小中高生の学習者、指導者・演奏家まで56組。
ピアノのみならず、声楽やフルートとのアンサンブル演奏もあり、楽しめました。
☟会場に応援に来てくれた友からプレゼントも頂きました❤
主催のピティナ神戸風見鶏ステーションのスタッフの皆さま、お世話になりました。
次は今年の集大成!?ドビュッシーを弾く予定です。
☟世良美術館HPより