高校生になってもオクターブがやっと届くくらいの小さな手の方、「ピアノが本格的に弾けない」と、弾くことに消極的になっていませんか?
実は私も華奢な手の持ち主。中学生の時オクターブを弾くのがぎりぎりで、師事していた先生から「あなたは手が小さいので、専門の道に進むことは勧められない。」と言われ、ピアノの道を断念。挫折!しばらくピアノから遠ざかっていた時期がありました。とは言ってもピアノが嫌いになったわけではなく、その先生の処へ通うことが、どうしても出来なくなってしまったのです。気持ちが離れてしまったんですよね。
しかし人生、救う神も現れます。ある先生との出会いがきっかけでピアノレッスンを再開しました。その先生は「手が小さくても大丈夫よ。オクターブが届けば弾ける曲は沢山ある。手の大きさは変えられないけれど、筋力をつけながら拡がるように訓練することが大事よ。」と言われました。そして「フィンガートレーニング」というものがあることを知り、覚悟を決めて!?そのトレーニングを受けることにしたのです。「トレーニング」と聞いて、アスリートが行っているような、歯を食いしばって必死に耐えるような(笑)とてもハードな訓練かも?と少し不安でしたが、そのレッスン室のとても静かで穏やかなこと!身体や手指をリラックスさせて、自分が持っている潜在能力を引き出すように、じっくり時間をかけてピアノを弾くための手指を育んでいきます。プログラムには拡張だけでなく、ピアノを弾くためのあらゆる要素が含まれています。
始めてから6か月目くらいに手指が柔軟でありながら、しっかりしてくるのを感じました。そして、拡げるテクニックのある曲を積極的に選んで練習していました。結果、オクターブと一つ(9度)は軽く届くようになりました。
フィンガートレーニングの指の拡張訓練は、3-4指間や4-5指間など、それぞれに開くようにしていくため、複雑な和音を弾く時も楽になります。すべて「脱力」を基本として行うため、手指はもとよりピアノを弾く身体そのものが楽になります。
オクターブ奏法や複雑な和音構成は、ピアノならではの曲の華やかさを演出してくれます。「弾いてみたい!」と思う曲には、この奏法がつきものだったりしますよね。指を拡げる訓練は大変根気と時間が要ります。でも、ピアノに対する情熱と弾きたい曲、諦めたくない気持ちがあるのなら、やってみる価値はあるかと思います。
(注意:この種の訓練は自己流では絶対しないでくださいね。ゆび…危険です。)
ところで、手の悩みは小さい人ばかりではない、ということ、知っていますか?大きすぎる手の人も、それなりに苦労があるそうです。細かな近接音を弾くことが苦手だったり、黒鍵の長さが短いので弾きにくい場合もあるらしいのです。
世界にたったひとつの個性的な自分の手をもっと愛しましょう!そして、憧れの曲を自分のものに!
正しいピアノ奏法―美しい音と優れたテクニックをつくる 脳・骨格・筋肉の科学的研究による革新的メソッド
- 作者: 御木本澄子
- 出版社/メーカー: 音楽之友社
- 発売日: 2004/05/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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下記の本の著者はすでに他界していて、今はお弟子の先生方が継承され、各地でレッスンしています。
ピアノのためのフィンガートレーニング (ムジカノーヴァ叢書 (8))
- 作者: 藤本雅美
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