きれいな音でひきましょう♪ ピアノレッスンは 想像力・創造力、そして、やり抜く力を育てます♪

ドビュッシー イヤーに

今日で11月も終わり。今年も残すところ1か月になりました。

今年のクラシック音楽界は「ドビュッシーイヤー」(没後100年)として、演奏会やイベントでドビュッシーが取り上げられる機会が多かったと言えます。

 

クロード・ドビュッシー1862年フランス生まれの作曲家。11歳でパリ音楽院に入学。11年間在学。卒業後22歳でローマ大賞、2年間のイタリア留学後は一時ワーグナームソルグスキーに傾倒するが、次第にヴェルレーヌマラルメなどの象徴派の詩に共感し、優れた歌曲を作曲しました。また、管弦楽室内楽ピアノ曲と幅広く斬新な音楽を生み出しました。

第一次大戦の勃発により心に深い傷を負い、祖国の文化を愁いつつ爆撃下のパリで56歳の生涯を閉じました。

 

かねてからブログに投稿しているように、私はドビュッシーが大好きで、彼の音楽と出会わなかったら、ピアノを続けてはいなかったに違いない、と思います。何故好きなのか、当初は理由などなく(恋をしたり、人を好きになるのが理屈ではないように)ピアノ作品「アラベスク第1番」を初めて聴いた小学校2年生の時に、「ビビッ」ときてしまったのです。

その気持ちはその後もずっと続き、演奏もさることながら、ドビュッシー関連のものはすべて手に入れたい「ドビュッシーコレクター」と化したのでした!

 

今から10年ほど前のことでしょうか。ヤマハ銀座店の輸入楽譜売り場で、見たことも聞いたこともない楽譜に出会いました。ドビュッシーの「おもちゃ箱」という絵本のような楽譜です。フランスのデュラン社製で、紙は色あせた「わら半紙」のよう。絵は木版画のように見えました。アールデコ調の素朴な絵ですが色彩もおしゃれ!しかし、かなり高価でした。家に帰っていろいろ調べましたが、ピアノ曲辞典にも載っていませんでした。

その後、この楽譜を見ることは無く、どうして買わなかったのだろう?と後悔の日々…しかし、今から約4年ほど前に東京に遊びに行った時、ヤマハ銀座店で見つけました。今度は新品です。お値段もあの中古品の3分の1(笑)迷わず買いました。

 

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ドビュッシー作曲、バレエ音楽「おもちゃ箱」挿絵=アンドレ・エレ。(1913年フランス、デュラン社)ここに登場するゾウはドビュッシーが娘のシュシュの3歳の誕生日のプレゼントとして作曲した「子供の領分」の中の「ゾウの子守唄」と関連があるらしい。シュシュはいつもベットにゾウのぬいぐるみ「ジンボー」を持ち込んでいた。

 

 

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余談ですが、これは「子供の領分」の楽譜の表紙。(1908年フランス・デュラン社)ドビュッシー自身の手による力作です。ここに描かれているのは、6曲目の「ゴリウォーグのケークウォーク」の主人公(当時フランスで流行っていた「ゴリウォーグ人形」)と2曲目「ゾウの子守唄」の題材となった娘のシュシュが愛した象のぬいぐるみ「ジンボー」。背景の白い点描画は4曲目の「雪が踊っている」をイメージしているという。娘への愛情が感じられる、輸入楽譜ならではの楽しみですね。

 

 

「おもちゃ箱」が子供のためのバレエ音楽であること、挿絵を描いたのはフランスの画家アンドレ・エレであることを知ったのは、今から1年半くらい前のこと。ピアノ教師をしている友人が、飛行機の機内誌に載っていた記事をLINEで送ってくれたのでした。確かにプロローグの後第1幕から第4幕、そしてエピローグがある。そう思って弾き進むとなんとなく物語が読めてきました。(大学時代、フランス語を履修したが、全く覚えていない自分が悲しい…辞書を片手に…)

 

デュラン社から再販された「おもちゃ箱」は話題になり、今年のドビュッシーイヤーに合わせて、ドビュッシー研究家でピアニストでもある青柳いつ``みこさんが、音源付きの本を出版されました。

ストーリーの他、ドビュッシーが童話の世界に傾倒していたというお話や、自身の娘、シュシュの影響、戦争の影など興味深い内容です。

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                      いつもサイン入りで送って頂いています。感謝!

 

 

音楽はドビュッシーらしさ溢れています。何度も聴きたくなります。やっぱりドビュッシー好きだな~♡

 

明日から12月。ドビュッシーイヤーのクリスマスプレゼントとしても良いのではないかしら?小学校中学年程度から理解できるかと思いますよ!

芸術作品に接する時、その時代背景や作者の置かれていた環境が色濃く反映されていると思うと、楽しみは何倍にも広がりますね。

大人には大人の感じ方があるでしょう。おススメです。

 

参考文献

ドビュッシー書簡集」フランソワ・ルシュールー/笠羽映子=訳 音楽之友社

「ピアノレパートリー事典」高橋淳 編著 小林共文堂刊

 

 

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