レッスン室のピアノをベヒシュタインに変えて、一年と少し経った。
当初はお嫁入りしてきたばかりで、新しい環境に慣れていないためなのか、音が毎日「乱高下」している感じで、楽器店で一目惚れならぬ「一聴き惚れ」したあの美しい音色とは程遠いものだった。
外国製ピアノはとてもデリケートだと、話には聞いていたが、ここまでとは・・・正直想像もつかなかった。
しかし、このピアノは中古品で、長いあいだ京都の方が使っていたから、そんなに大変なことにはならない。と楽器店の方にも薦められた。長い間、京都の気候・風土に馴染んでいるからだ。本当に、ピアノは生きている。
もちろんこのピアノのなんとも言えない柔らかな音(特にPの)に、ビビッ!ときてしまったのだ。
ところが、レッスンで未熟な子どもたちに弾かせると、大変なことになった。国産ピアノよりもタッチの質に敏感なので、面白いように皆違う音になる。
ある日、始めたばかりのやんちゃな小1の男の子のレッスンで、私はパニックになった。
「汚い音をださないでー!」思わず大きな声を出してしまった・・・反省。
数か月して、ふと気が付くと皆綺麗な音で弾いている!そして、2月のピアノステップ(公開演奏会)では、ピアノをよく鳴らせるようになった生徒の演奏に感動した。
日常使うピアノが弾き手を育てるのだ、と実感した。
今日はさわやかなお天気!
今、ドビュッシーの「アラベスク1番」を弾いて、本当に美しい音色を楽しんだ。
レッスン室の環境に適応してきた。そして、私もこのピアノの扱いに慣れてきた。
まだまだ、これから多彩な音色を紡ぎ出し、このピアノと長く付き合っていきたい。
そう考えるとピアノと私は夫婦みたい!
大切なパートナーだ。
もちろん本当の旦那様も大事にしなくちゃ(笑)