私が携わっている「ピアノを教える」という仕事・・・
ピアノを弾くことを教えるのは確かなんですが、楽譜を読んだり、書いたり、リズム練習をしたり・・・弾けるようになるには様々な課題が待ち構えています。そんなに簡単に弾けるようにはならない。だからこそ、楽しい!素敵!面白い!
レッスンでは、笑顔で生徒さんたちが前向きに練習してもらえるように、日々いろいろな工夫をしています。
コーチングシリーズ、今回は「優位感覚」について書いてみたいと思います。
人間は生まれながらにして持っている「優位感覚」というものがあり、五感の中で、それぞれ他より優れている感覚がある、というのです。例えば漢字を覚える時に、目で見てそのまま覚えられる人もいますが、書かないと覚えられない人もいますね。ちなみに私は後者の方。
ピアノ(音楽)の学習でも、指は器用に動くのに、楽譜(音符)を読むことが苦手だったり、理論的なことはよく理解できるのに、指を動かすのは苦手など、様々な生徒さんがいて、能力というものは本当に十人十色だと実感します。
ですから、皆同じような教え方では一人一人の個性や能力を伸ばすことは出来ません。コーチングでは、相手(生徒)の「優位感覚」を見極めることが学習効果を上げる為に大切だと言われています。
ICF国際プロフェッショナルコーチの青木理恵氏によると、「優位感覚」は
うさぎタイプ(聴感覚優位)
例)音楽を聴くことで、その良し悪しを感じさせたり、演奏を録音し再生しながら修正していく。
ふくろうタイプ(言語感覚優位)
例)曲の構造を分析したり、じっくり考える時間を取るようにして、自分なりにまとめてみる。
わしタイプ(視感覚優位)
例)先生の手指の動きを見て真似るのが得意。曲のイメージを絵にして描いてみる。
ねこタイプ(触感覚優位)
例)理屈より実践。暗譜は指が覚えるまで何度も弾く。タッチの触感・鍵盤の深さなどに敏感。
の大きく4つに分けることが出来、指導者はこの特質を出来るだけ早期に見極め、得意な感覚をうまく使って学習させることが大切だと言っています。
私は、ピアノ教師として駆け出しだった頃、生徒さんがなかなか自分の思うようにならなくて焦ったり、叱咤激励したりして悩んだこともありました。しかし、今では「それぞれの生徒さんが得意なことから伸ばしていけばいいんだな。」と思うようになり、またそうすることで、苦手分野もだんだん伸びてくることがわかりました。
苦手意識を先に植え付けてしまうと、ピアノ教室に通うこと自体にマイナスイメージを持ってしまい、出来るはずのことも出来なくなってしまいます。特に導入段階では、生徒さんが興味を持って自分から進んでやれることから、まずは伸ばしてあげたいと思っています。
読者のみなさん、ご父兄の皆さん、ご自分やお子さんたちは、どのタイプに該当すると思いますか?もしかしたら、4つとも該当するという「優れ者」もおられるかもしれませんね。しかし、私を含めて凡人はそうはいかない。
相手の得意なことを見極め、そこから伸ばす!
コーチングの重要な要素です。