きれいな音でひきましょう♪ ピアノレッスンは 想像力・創造力、そして、やり抜く力を育てます♪

納得の練習とイメージトレーニング

スポーツの世界では「イメージ・トレーニング」という言葉をよく耳にします。本番で実力を発揮するために行う、メンタルトレーニングであり、運動機能を高める訓練でもあります。実は音楽を演奏する時も「イメージトレーニング」が必要なんですよ。読者の皆さんの中には、スポーツの世界とピアノ演奏とでは、分野が違いすぎるのでは?とお思いになる方もおられるでしょう。しかし超絶技巧が必要なプロのコンサートピアニストともなれば、芸術家であると共に、高度な身体能力をもった鍵盤上のアスリートとも言えます。スポーツの中でもフィギュアスケートなどは、芸術性と身体能力の両面が必要ですから、ピアニストとの共通点を見出すことができます。「力強さ」と「しなやかさ」両方が求められることも一緒です。

私はフィギュアスケートを見る度に、ピアノ演奏と似ているな~と思います。両方とも「時間芸術」であり、流れの中で見せ場の技が何か所かあり、一つ一つクリアしていく・・・美しさに魅せられつつも、ドキドキしてしまいます。

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浅田真央Facebookよりシェア。全日本選手権ではプレッシャーの中でも、緊張しないで滑れたという。

 

今冬、ソチ五輪で失敗(ショート)と成功(フリー)の両極端の演技で、私たちを感動させてくれた浅田真央選手。大舞台で実力を出すことが、いかに大変なことなのかも教えてくれましたね。その後、全日本選手権で大成功をおさめ、金メダルを獲得しました。TV放送された特集番組の中で、本番前に会場の駐車場で耳にヘッドホンを当てながら身体を動かす彼女の姿が写し出されていました。イメージトレーニングです。気迫に満ちた表情で集中力を高めていました。

 

ピアノ演奏でも、小学生くらいの時は弾くことが楽しくて緊張しなかった生徒さんが、中高生以上になって、ものすごく「上がり症」になることがあります。原因は演奏というものの難しさが、わかってくるからです。そして上手く弾きたい、という欲が出るからです。

入学試験やコンクールなどで弾く時の緊張はいかばかりか、想像できるでしょうか。ここ一番で実力を発揮できるか否か、それは「心」と深く関係しているのです。

 

浅田選手のコーチである佐藤信夫氏は、いつも演技前の選手に言葉がけをしていますね。ピアノ指導者にとっても、本番前の生徒さんへの接し方は大切です。私はピアノステップやコンペティションに参加する生徒さんに対して多くは語りませんが、本番前のいくつかのポイントを指導します。(親御さんの接し方も含めて。)しかし、どんな「言葉がけ」や「メンタルトレーニング」を施しても「練習」に勝るものはありません。アメリカの音楽教育家、セイモア・バースタイン氏は著書『心で弾くピアノ』の中で「修練が自信を生み、自信が美のさらなる広がりを探る自由をあたえてくれる。」と語っています。

練習で120%以上出来ていないと、本番で100%出すことは出来ません。スポーツでも音楽の演奏でも、自信をもてる程の周到な練習あってのイメージトレーニング、ということですね。

自信とは「自分を信じること」。「私は出来る!」と強く暗示をかけることが、メンタルトレーニングの第一歩です。

そう言いつつ、私も例外なく「上がり症」なんです。だから、生徒さんの気持ちがよくわかります。そして克服しようと色々な本を読みました。

以下、参考になりそうな本を紹介させていただきました。この分野の本は他にも沢山出版されていますが、私自身読みやすく、内容も面白かった3冊をピックアップしました。イメージトレーニング法は、ピアノに限らず、きっといろいろな人生の場面で役に立つ知識だと思います。

ピアノをさらに深く学びたい方、演奏家をもっと理解したい方も是非参考にしてみてください。

 

心で弾くピアノ―音楽による自己発見

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演奏家のための「こころのレッスン」―あなたの音楽力を100%引き出す方法

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ピアニストの脳を科学する 超絶技巧のメカニズム

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★8月23日、ピティナ・ピアノフェスティバル特別講座に古谷晋一氏が登場します。

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