きれいな音でひきましょう♪  ピアノレッスンは 想像力・創造力、そして、やり抜く力を育てます♪

夢の実現

〈第4回〉

小学4年生の頃から、私は時々「作曲」する夢を見ていました。

夢の中で、新曲をピアノで弾いていたり、うたっていたり・・・しかし、目が覚めると全く覚えていない。

このことを母に話すと、「枕元に五線ノートを置いておいたら?」というので、置いてみたけれど、あまり意味はなかった。思いついた時に起きることが出来ないのだから(笑)

曲を作ることに興味があったことは確かで、小学校の卒業文集には、「私の夢」として「作曲家かピアノの先生になりたい」と書いています。(夢は後に変わり、私は音楽とは関係のない道を歩み始める)T先生と出会ったことで、長い間封印されていた「作曲」の夢を、曲がりなりにも実現することとなりました。

 

私には「作りたい音楽」がありました。その頃、「膠原病」という難病と闘っていた母へ、自分で作った曲をプレゼントしたいと思っていました。テーマは「光の泉」。子供の頃、家族で毎年過ごした奥日光の高原の日々。牧場や泉を訪ね、白樺の小道を歩き、小川に笹船を浮かべた思い出、光あふれる情景を音にしようと考えたのです。

母には寂しい思いをさせたのではないだろうか?遠く京都に嫁ぐことを許してくれた母の気持ちを思うと、「絶対に完成させる!」という固い決意を持ちました。いつになく強い自分がいました。

曲を作り始めてからは毎日毎日、頭の中が音符だらけになり、病気の母を見舞いに行く新幹線の中でも、いつも曲作りのことばかり考えていました。すぐに作れたメロディーもあったけれど、いわゆる「生みの苦しみ」の方が多かったように思います。メロディが天から降ってくる、なーんていうことは、やはり無かったんです・・・

作曲は即興演奏とは違う。構成を決めデッサンをし、輪郭を決め、下書きをして本仕上げをする。まるで一枚の絵を描くよう。

構成は、作曲家のT先生にアドバイスを頂きながら考えぬきました。実はこの作業が一番重要だということを知りました。小さな曲の場合は別として、今回は「バラード」(物語性のある曲)として少し長めのピアノ曲に仕上げたかったので。

また、曲を作るにあたって英国の詩人、ウイリアムワーズワースの一遍の詩から霊感を得ました。高校生の時に出会った私のお気に入りの一つです。「対話」という題名のこの詩は、老婦と娘が泉のほとりでお話する情景です。曲の冒頭のテーマはこの詩からヒントを得たものです。

1年ほどかけて、やっとやっと曲は完成しました。そして、カセットテープ(古いなぁ)に録音して東京の母のもとへ!

曲を聴いた母は、病気でこわばった顔をやさしく緩めて、「気持ちいい」と言ってくれました。私は「聴いてくれてありがとう」という気持ちだけで、もう何も望むものはないと思いました。

                                 次回に続く

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栃木県 奥日光にて、せせらぎに笹ぶねを浮かべる。( 小学校4年生の夏)