日頃、何気なく使っている漢字。ちょっと立ち止まって、その成り立ちや謎に迫ってみませんか?
ピアノ指導者の傍ら、書道師範でもあるようこ先生が、音楽に関係のある漢字の謎に迫るシリーズVol.1。
今回取り上げる文字は「曲」。
音楽をやっている人なら、この文字は馴染み深いですよね。
「きょく」と読む他に「曲がる」とも読みますね。いったいこれは、何をまげたのでしょう?
実はコレ、竹なんですよ。
竹には節がありますね。これをくねくねと曲げて作ったのが竹細工。
音楽のメロディーにも節があり、その中を音がくねくねと曲がって出来ている。確かに竹細工のよう・・・(ちょっと苦しい?)
つまり、音が直線ではなく曲線状に変化する(くねくねまがる)からこそメロディーになるわけです。それでメロディーのことも「曲」ということになり、そこから音楽作品を意味するようになりました。もちろん起源は漢字を生んだ中国です。
☟これは、漢字の古字を研究していた明治時代の書画界の頭領、前田黙鳳(まえだもくほう)が書いたもの。竹を曲げて作った籠を形どった象形文字だったことがわかりますね。
作曲とは竹細工のようなものらしい・・・
これを知って今日から皆さんも、楽譜が竹細工に見えてくるようになる。かも!?